65次先遣隊お魚・ペンギンチーム 昭和基地周辺で調査中です!

南極の春は日射量が一気に増え、海氷周辺の生物活動が活発になる季節です。65次隊では本格的な夏の到来を前に4名が先遣隊員として昭和基地に入り、海氷下で暮らす魚類や、昭和基地の周りの島で繁殖するアデリーペンギンの生態を調査しています。

お魚チームは分厚い海氷にドリルで穴を開け、釣りで魚を採集し、また海洋環境調査やプランクトンネット調査を行っています。これから魚に音響発信器を取り付けて行動を調べたり、採集した魚の一部を飼育しながら国内へ持ち帰ったりする予定です。

昭和基地裏手の西の浦にて、海洋環境調査のために氷に開けた穴から採水するお魚チーム
撮影:JARE65 國分亙彦(2023年11月17日)

ペンギンチームはペンギンに小型の記録計を取り付けて回収し、行動を調べています。この時期、ペンギンはオスとメスが交代で卵を温めながら数100km先までエサを食べに出かけてゆきます。その途中の群行動や海中の環境を調べるのが今回の調査の主なねらいです。

昭和基地近くのまめ島にて、抱卵中のペンギンを観察するペンギンチームの今木隊員
撮影:JARE65 長谷川浩平 (2023年11月13日)

この時期の海氷上はところどころで割れ目や雪氷の融けた水たまりが見られ、また一面白いために天候が悪くなると視界がきかなくなって迷いやすいなど、危険も多いです。お魚・ペンギンチームはこういった危険を避けるよう気を付けながら、協力し合って一緒に調査を進めています。

(JARE65 國分 亙彦)

海氷上で調査するお魚・ペンギンチームを観察しに来たアデリーペンギン
撮影:JARE65 國分亙彦 (2023年11月24日)