11月30日にしらせがフリーマントルを出発し、早くも3日目を迎えました。
ここで少し遡って、フリーマントルでの生鮮品・観測隊ヘリ搭載の様子をお届けします。
南極観測船しらせは1年に一度のみ日本と南極を往復するため、越冬に必要な食料は全てしらせに積んでいく必要があります。しらせは11月10日に横須賀を出発し、赤道を越えてフリーマントルに到着しましたが、葉物野菜は傷みやすいため、少しでも新鮮な野菜を南極に持ち込めるように、白菜・キャベツはフリーマントルで調達し、しらせに搭載しました。しらせに積み込まれた生鮮品は、調理隊員の指示の下、越冬隊員自らリーファーコンテナ(温度保持機能を持つコンテナ)の中に搬入します。
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白いコンテナがリーファーコンテナです。
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2023年11月27日)
調理隊員にインタビューしたところ、今回調達した白菜・キャベツを生の状態で食べられるのは、5~6月くらいまでだそうです。傷みの進行を遅らせるため、芯に石灰を塗るのだとか。
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撮影:JARE65 山岡麻奈美(2023年11月27日)
赤いテープを貼っているのは、現在昭和基地で越冬中の64次隊にお届けする野菜たちです。優先空輸で、しらせが昭和基地沖に接岸してすぐにヘリコプターで昭和基地に運びます。
観測隊経験者曰く、越冬明けに半年ぶりに食べるキャベツの千切りは格別の美味しさとのこと。
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撮影:JARE65 山岡麻奈美(2023年11月27日)
また、観測隊がオーストラリアの企業からチャーターするヘリコプターの搭載も行われました。夏期間に、様々な観測チームの隊員が昭和基地近郊の各方面に散らばって観測に出かけます。ヘリコプターは人員輸送を担う、重要な移動手段です。岸壁にスタンバイしていたヘリコプターはクレーンで吊り上げられ、しらせの飛行甲板に降り立ちました。
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撮影:JARE65 山岡麻奈美(2023年11月27日)
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撮影:JARE65 田端志野(2023年11月27日)
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撮影:JARE65 田端志野(2023年11月27日)
その後ヘリコプターのスキット部分に車輪をつけ、人力で格納庫に運ばれていきました。これだけ近くでヘリコプターを見るのは初めての経験で、高揚感に包まれていました。昭和基地での活動が近づいていることを実感した1日でした。
(JARE65 山岡麻奈美)