2023年11月25日22時15分(西オーストラリア州時間)、広報隊員を含む本隊の一部、19名の隊員がパース空港よりチャーターバスでフリーマントル港に到着、南極観測船「しらせ」に乗船し、合流を果たしました。羽田を出発してから約23時間後の事です。
シドニー空港周辺が悪天候に見舞われてしまい小遅延。更に空中待機していた他の機体とともに空港へ殺到したため、今度は駐機場の空き待ちで遅延。降機後も、バス待ち、荷物待ち、入管審査待ちと雪ダルマ式に遅延が膨らみ、予定していたパース行きの機体に乗り換えられなくなった隊員が続出。広報隊員は、空席のある2便後の機体に変更となり、予定より大幅に遅れての乗船となりました。
第49次南極地域観測隊から出入国手配に関わっているという旅行会社の方も「このような事態は初めてだと言います。コロナ禍の影響が残っているのでは…」とのことでしたが、終始落ち着いて状況を判断し誘導に努められ、またオーストラリアまで本隊の移動をサポートする極地研究所スタッフや橋田隊長、山岡越冬庶務広報隊員らのチームワークにより、思いがけず分散移動となった本隊66名※の移動を成功に導きました。
※一部の本隊隊員、同行者は別途移動
様々な状況の変化に慌てず冷静に対応し、本隊はその後の影響を最小限に留めて今次最初の困難を乗り切ることができたと言えます。しらせ船室での荷解きの手を止めてホッと落ち着きつつこの記事を書きながら、橋田隊長の出発式での挨拶を改めて噛み締めた広報隊員でした。
(JARE65 丹保俊哉)
パース空港からは約50分、チャーターしたマイクロバスに揺られてフリーマントル港へ。長旅の疲れが表情に表れます。重い荷物を持ち上げて「しらせ」の舷側をタラップで昇ると、遅い時間にも係わらず乗組員の皆さんが出迎えてくれました。撮影:JARE65 丹保俊哉(2023年11月25日)