南極の氷山から採った 氷を水に浮かべるとプチプチと空気の弾ける音がする、そんなことを聞いたことはありませんか。南極大陸に降り積もった雪は長い年月をかけて押し固められて氷になり、その中には当時の空気が閉じ込められています。氷が融けて閉じ込められた空気が外に出ていくときにプチプチ音がするのです。
南極大陸は、広大な氷に覆われていて、この氷は少しずつ大陸の周りを囲む海に向かって流れていきます。そして大陸の縁で切り離され海に流れ出るのが氷山です。観測隊では毎年、氷山の氷を採取し日本に持ち帰っています。晴天に恵まれた11月17日、昭和基地の北東約2kmに浮かぶ氷山へ隊員みんなで出かけてきました。
南極ではいつも雪や氷に囲まれていますが、実際に氷山を近くで見ると青い透き通った色、ゴツゴツしたところや滑らかなところがあり、自然が作り出す造形は美しく、自分の背丈よりも高くそびえる様子は大迫力です。
こうして採取した氷山の氷は、観測船「しらせ」で日本に持ち帰ります。そして南極の環境や観測活動を知ってもらうことを目的とする国立極地研究所や関係機関のイベント、広報活動等に登場する予定です。機会があれば、ぜひご覧ください。
(JARE64 白野亜実)