しらせ出発!

2023年11月10日(金)午前8時半、第65次南極地域観測隊の隊員・同行者一同は空一面を雲が覆う中、海上自衛隊横須賀地方総監部前に集合しました。南極観測船「しらせ」の出国行事に参加し、航海と観測隊への支援活動の安全を祈念、激励し見送るためです。

逸見岩壁に停泊する「しらせ」と横須賀地方総監部への入構手続きを待つ観測隊一同。
撮影:JARE65 丹保俊哉(2023年11月10日)

観測隊は前日の9日、近くのホテル会議室に集まって最後の打ち合わせをおこない、出国時の手続きや注意事項について説明を受けるとともに、「しらせ」と合流するオーストラリアへの入国ビザ(ETA)の申請手続きを完了させました。後は空港へと行くばかりとなった広報隊員は、2週間後に迫った出発を否応にも感じさせられて、気持ちがそわそわするのを抑えられず、その日はお酒の力を少し借りて寝床につきました。

橋田観測隊長より行われた出発前最後の観測計画について傾聴する観測隊一同。
撮影:JARE65 丹保俊哉(2023年11月9日)
ETA申請の手続きをスマートフォンでおこなう隊員たち。綽々とこなす一方で四苦八苦する隊員も。
撮影:JARE65 丹保俊哉(2023年11月9日)

翌朝の10日、南極へと向けた出発を目前にする「しらせ」は、煙突からノンビリと薄煙をくゆらせていて、まるで過去14回におよぶ観測航海の経験に裏打ちされた自信や貫禄を示しているかのようでした。10時から始まった式典でも、逸見岸壁に整列するため、斎藤一城艦長以下乗組員約180名の気迫ある行進の様を見て、広報隊員はその頼もしさに安心感を覚え、そわそわする気持ちが落ち着いていくようでした。

昭和基地へと輸送する12フィートコンテナを満載した「しらせ」は約5ヶ月間の航海を前に、やる気に満ちあふれたかのようでした。
撮影:JARE65 丹保俊哉(2023年11月10日)

「しらせ」は11月25日にはフリーマントル港に入港し、私たちと合流する予定(防衛省・統合幕僚監部資料)です。またしらせの航海位置については今後、HPで確認していただけるように準備中です。皆さん「しらせ」の様子をみて、是非応援してください!

2週間後、また元気に会いましょう「しらせ」!

(JARE65 丹保俊哉)

観測隊の目前を堂々と行進する「しらせ」乗組員。
撮影:JARE65 丹保俊哉(2023年11月10日)
「しらせ」乗組員に激励の言葉を掛ける野木義史国立極地研究所長。
撮影:JARE65 丹保俊哉(2023年11月10日)
別れを惜しむ涙雨となった中、「帽を振れ」で互いにエールを送り合います。
撮影:JARE65 丹保俊哉(2023年11月10日)
頑張れ「しらせ」!頑張ろうJARE65!
撮影:国立極地研究所広報室(2023年11月10日)