天窓の明かり

昭和基地管理棟のドーム型の天窓に明かりが灯っています。実はこの光景、今の時期だけ見られる少し珍しいものなのです。

管理棟のドーム型の天窓から漏れる灯り、0時半ごろ撮影
撮影:JARE64 白野亜実(2023年10月29日)

観測隊では、太陽が沈み昭和基地に暗い時間帯が訪れる毎年2月中旬から10月にかけて、高感度カメラを使ったオーロラ光学観測を実施しています。この期間、より正確なデータを取得するため、「灯火制限」という対応を取り、外灯を消し、併せて建屋内の照明が外へ漏れないよう遮光カーテンを引くなど、人工的な光の影響をできるだけ少なくしています。10月も終わりに近づき、空が薄明るい時間帯が多くなり、今年のオーロラ光学観測を終了しました。ようやく灯火制限が解除となり、建屋に明かりが灯っている様子を見られるようになりました。11月下旬には1日中太陽が沈まない白夜の時期がやってきて、天窓の明かりも建物から漏れる光も見えづらくなってしまいます。あと少しの間、昭和基地の夜の光景を楽しみたいと思います。基地の北側に目を向けると、凍った水平線から昇ってきた月もキレイでした。

基地主要部の夜景、東部地区の丘から0時半ごろ撮影
撮影:JARE64 白野亜実(2023年10月29日)
昭和基地が面している北の浦に浮かぶ月と岩島、22時ごろ撮影
撮影:JARE64 白野亜実(2023年10月28日)

JARE64 白野亜実)