海氷の上の滑走路

まもなく65次隊の先遣隊が昭和基地に到着します。65次先遣隊は、南極の夏の早い時期に昭和基地入りし、観測活動や基地設営業務にあたる隊員たちと昭和基地から南に約1000km内陸にあるドームふじ基地周辺へ調査旅行に向かう計18名の隊員からなります。

65次先遣隊は、観測船「しらせ」に乗ってやってくる65次本隊に先駆けて、東南極に基地を持つ12か国が共同運航する航空網を利用し、南アフリカのケープタウンから南極大陸のノボラザレフスカヤ滑走路を経由し、昭和基地までやってきます。65次先遣隊の到着を間近に控え、私たちは昭和基地から北に約3kmの海氷上に滑走路を整備しました。

ゲレンデ整備用の雪上車で海氷上の雪を均す
撮影:JARE64 樋口和生(2023年10月28日)

航空機が降り立つには、十分な氷厚があること、表面が比較的滑らかな雪であること、などいくつかの条件があります。10月上旬から滑走路に適したポイントの確認を行い、11月の初めにかけてゲレンデ整備用の雪上車を使って海氷上の雪を均し、長さ約800m、幅40mの滑走路が出来上がりました。

昭和基地の北の沖に出来上がった海氷の上の滑走路
撮影:JARE64 白野亜実(2023年11月4日)

今年2月に63次隊からバトンを引き継ぎ、64次越冬隊の28人だけで昭和基地で過ごしてきた私たち。これから65次先遣隊が到着し、新しい風とともに基地がますますにぎやかになるのが本当に楽しみです。

JARE64 白野亜実)