発電用ディーゼル機関訓練

10月3日~4日まで、兵庫県尼崎・滋賀県長浜にあるヤンマーパワーテクノロジー株式会社にて65次発電機・制御・車両担当隊員3人による発電用ディーゼル機関の基礎知識と保守点検の講習を行いました。

昭和基地では観測や生活をするうえで必要となる電気を野外や昭和基地内で作る必要があります。その為昭和基地では約70世帯の電気をまかなえる発電機が2台の他、野外観測に使用する持ち運び可能な発電機が複数備えてあります。発電機担当隊員はその維持管理が主な仕事となります。

昭和基地の発電設備
撮影:国立極地研究所

越冬中メインで稼働する発電機は、昭和基地で使用する電気を賄うため24時間常に動いています。もし発電機が止まり停電してしまうと観測ができなくなる他、ライフラインが止まり最悪の場合隊員全員の命を脅かすことにもなりかねません。そうならないように隊員自身で日頃から点検整備を行います。

今回の訓練では、1年という越冬期間の電気を支える為にディーゼル機関の基礎や発電の原理はどういったものか、また保守点検はどのように行うのかを見て、触って学びました。実際に制御担当隊員はディーゼル機関の専門では無いため、イチから学び試行錯誤しながら分解・組立を行っていました。

世界最古のディーゼル機関などを見学
撮影:JARE65 長谷川司(2023年10月3日)
相談しながら分解・組立を行う様子
撮影:JARE65 長谷川司(2023年10月4日)

また63次隊員より説明があり、質疑応答を交えながら実際の昭和基地での作業を具体的に教えていただきました。その後OBとの意見交換もありとても有意義な時間となりました。

隊員全員の命を預かっているというプレッシャーもありますが、毎年先輩方が無事に成し遂げてきたミッションを同じく遂行し、越冬期間を満了したいと思います。


(JARE65 長谷川司)

63次隊員より説明を受ける隊員
撮影:JARE65 長谷川司(2023年10月3日)