まだまだ厳しい冬が続く昭和基地ですが、次の夏に計画されている内陸調査旅行(以下、内陸旅行。)に向けた準備作業を進めています。今年8、9月にかけ、私たち64次隊は南極大陸上にある内陸旅行の出発拠点「S16」周辺に出かけ、昨夏のドームふじ基地への内陸旅行から戻り、大陸上で保管していた橇(そり)や雪上車を昭和基地に持ち帰りました。夏期は海氷が安定しないため、より安全に海氷上を渡ることができる冬の時期に持ち帰り、補修や点検整備を行います。
昭和基地のAヘリポート周辺では、今年11月中ごろに出発予定の内陸旅行に持って行く燃料を橇に積み込む作業が行われていました。越冬生活が始まった頃は、重機の操作がぎこちない隊員もいましたが、いまでは大分慣れ、スムーズな動作でテキパキと燃料の入ったドラム缶を橇に積み込んでいました。
自然エネルギー棟の前では、建築・土木担当隊員がS16周辺から持ち帰った橇の修理にあたっていました。支柱やワイヤーのなど傷みのある部分が補修され、次の内陸旅行に備えて整えられていました。
晴れてお昼の気温は-9℃程度、それほど冷え込まず絶好の屋外作業日和となりました。ほかにも基地中心部の除雪、度重なる吹雪で傷んだ観測機器の補修など、各所で活動する隊員たちの姿がありました。今日も1日があっという間に過ぎ去ったなぁと、しみじみ夕日を眺めました。
(JARE64 白野亜実)