観測隊打ち合わせ①

2023年7月20日に行われた観測隊打ち合わせの様子をお伝えします。
南極地域観測隊が過酷な環境下で観測計画を滞りなく遂行するためには、しっかりとした石橋を造ること、またそれを慎重に渡ることが求められています。一方で、第65次南極地域観測隊には33項目の観測・研究項目と、それを支える輸送計画や基地機能の維持と拡張など40項目を超える設営計画の実行が計画されています。
今日の打ち合わせでは、まず橋田隊長より観測隊のこうした多岐にわたる観測項目とタイトなスケジュールについて、全隊員の連携と緊張感を促す説明がありました。
引き続いて国立極地研究所オペレーション支援室より、慎重な行動計画を立て情報共有すること、また危険を予測して行動できることのできる力を養うことの注意喚起がなされ、日本国内では言われるまでもないようなことでも、南極地域の経験などほとんどない隊員にとっては一瞬の油断もしないように、口を酸っぱくして訴える姿勢が印象的でした。
打ち合わせでは積載物資に含むことのできる嗜好品の量についての説明もありました。張り詰めた緊張感を弛緩させ、1日の疲れを翌日に持ち越さないことも大切なことです。隊員たちがもっとも真剣に傾聴していた姿がとてもコミカルに見えました。

65次観測隊の観測計画について橋田隊長からの説明に傾聴する隊員たち
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2023年7月20日)

午後からは、南極観測船「しらせ」の船倉に物資を格納する際に用いるスチールコンテナの組み立てと分解方法についての講習が行われました。観測・研究に必要な調査機材を昭和基地に運び込むコンテナのため、隊員各自で組立、収納、片付けをこなす必要があります。しっかり組み上げないと南大洋での「しらせ」の動揺でサイドパネルが外れて荷物がバラバラになるよと聞くと皆しっかり真剣に受講し、組み立てのコツについて熱心に質問していました。

(JARE65 丹保俊哉)

スチールコンテナの組み立て講習
撮影:JARE65 山岡麻奈美(2023年7月20日)