昭和基地のある東オングル島の隣、西オングル島には宙空部門が継続して観測を行っている拠点「西オングル 宙空テレメータ施設」があります。宇宙から放射される電波、地球上を伝播している自然電波、地磁気の脈動、雷放電により発生する電磁波を観測しています。これら観測データは昭和基地に伝送されていますが、機器のメンテナンスや校正作業のため、時々この拠点を訪れる必要があります。そのため今回、昭和基地からこの観測施設まで、海氷上を安全に移動できるルートを確保する、ルート工作を行いました。ルート工作は、海氷の厚さを測り、目印の旗を立て、GPSで旗の位置と旗間の磁方位を測定し、全てのデータを記録していきます。
野外観測支援担当の久保木隊員がリーダーとなり、4名の隊員で西オングル島までのルート工作が順調に進められました。今後はとっつき岬やS16※など南極大陸方面や大陸沿岸での観測や作業に向けてルート工作を進めていく予定です。
※S16…南極大陸上にある内陸旅行の出発拠点。昭和基地のある東オングル島から東に約20km。
(JARE64 久保木学、白野亜実)