昭和基地では、3月11日5:40~3月12日2:50(昭和時間)、継続時間11時間25分のC級ブリザードを記録しました。
最大瞬間風速は26.4m/s、最低気圧は989.7hPaで、今年初めてのブリザードとなりました。外出注意令により、私は基地主要部の屋内で業務にあたっていましたが、少し前まで見えていた島や岩がみるみる真っ白になり、ごうごうと大きな音で吹き荒れる強風に、南極の自然の猛威を感じました。
この初ブリザードの特徴や様子について、気象部門の大山隊員に話を聞きました。
この日、昭和基地では朝5時ごろから急激に風が強まり、その後平均風速が15m/s以上の期間が継続しました。2月末から、低気圧が次々に連続して昭和基地の北を東進しており、低気圧による降雪で基地周辺には新雪が積もっている状況でした。3月11日の明け方以降、リュツォ・ホルム湾の北の海上から低気圧が南下し昭和基地に接近した影響で、急激に風が強まりふぶきで視程が悪化しました。11日の昼頃には一時的に視程がよくなる時間帯もありましたが依然として風が強く、立て続けに次の低気圧が近づいて基地周辺に雪雲が入ったため視程が悪く風の強い時間が継続しました。B級ブリザード基準にもあと数時間で達するような、気象隊員にとってもなかなかハードな初ブリザードでした。
昭和基地におけるブリザード定義
階級 |
視程 |
風速 |
継続時間 |
A級 |
100m未満 |
25m/s以上 |
6時間以上 |
B級 |
1km未満 |
15m/s以上 |
12時間以上 |
C級 |
1km未満 |
10m/s以上 |
6時間以上 |
全ての条件が満たされた場合のみ認定される
(JARE64 白野亜実、大山まど薫)