帰国まで1週間

3月11日にトッテン氷河沖の流氷域を離脱して以降、63次越冬隊、64次夏隊本隊を乗せた「しらせ」は、最終寄港地であるフリーマントルへ向かって東経110度のラインを北上しています。この海域では往路と同じように、南緯60度から40度まで5度きざみで計5回の停船観測を、18日まで実施する予定です。

停船観測の様子。海水サンプルや、動・植物プランクトンを採取します
撮影:JARE64 山口真一(2023 年3月13、14日)

この海域は暴風圏にあたりますが、復路ではある程度のうねりはあるものの、往路で経験したほどの船体の激しい動揺は今のところ発生しておらず、順調に航行しています。つい先週まで目の前に広がっていた海氷や氷山の浮かぶ風景は、今ではすっかり見られなくなりました。気温も少しずつ上がって、荒天時には雪ではなく雨が降るようになり、徐々に南極から遠ざかっていることを実感します。そのような中、南緯55度を通過した3月14日と翌日には、おそらく最後のオーロラを見ることができました。

極域らしい光景も、見納めが近づいています
撮影:JARE64 山口真一(2023 年3月14、15日)

帰国までおよそ1週間となりました。残りわずかな期間ではありますが、全員が無事で、元気に、笑顔で日本に帰るために、最後まで気を引き締めて任務にあたります。

(JARE64 山口真一)