2月25日より行われていたトッテン氷河沖での海洋観測は、3月11日に終了しました。
この期間に、係留系の設置1基、回収2基 、CTD採水観測15回、がま口ネット観測3回、海氷ゴンドラを使用した海氷コア採取、かごを使用した船上海氷採取、海底地形調査など、多数の観測を行うことができました。
これにより、水温、塩分、海洋流速、植物・動物プランクトン、海氷の酸素同位体比など、様々なデータやサンプルを取得しました。これらの解析結果は、重点研究観測の課題である「東南極の氷床―海氷―海洋相互作用と物質循環の実態解明」の手がかりとなります。
海氷を研究する伊藤隊員は「これまでに誰も来たことのない氷河直前の海域で 海氷が採取できました。大部分のサンプル解析・分析は帰国後になりますが、今からとても楽しみです」と語りました。
3月11日に最後のCTD観測を終えると、「しらせ」は進路を北に取り、14時34分にトッテン氷河沖の流氷域を離脱して、いよいよ最終寄港地であるフリーマントルへ向かって航走を開始しました。
(JARE64 山口真一)