2月25日、「しらせ」はトッテン氷河沖に到着しました。ここでは、重点研究観測である「東南極の氷床-海氷-海洋相互作用と物質循環の実態解明」のための観測が行われます。
近年、西南極に比べて比較的安定的であるとされてきた東南極でも、トッテン氷河周辺域を筆頭に氷床末端部での融解加速が指摘されています。これまでの研究によって、南極大陸周辺の陸棚斜面には外洋からの暖水が流れ込んできていることが確認されていますが、暖水の流入量やその季節変動や経年変動、および氷床融解と暖水流入の因果関係については不明です。これらを調べるために、暖水の流路となる海底地形観測、海中に係留系を設置しての長期間の時系列観測、海洋深層までの繰り返し採水観測などを実施します。
これらの観測は、3月11日 まで2週間にわたり行われます。
(JARE64 山口真一)