トッテン氷河沖の海洋観測始まる

2月25日、「しらせ」はトッテン氷河沖に到着しました。ここでは、重点研究観測である「東南極の氷床-海氷-海洋相互作用と物質循環の実態解明」のための観測が行われます。

撮影:JARE64 山口真一(2023年2月26日)

近年、西南極に比べて比較的安定的であるとされてきた東南極でも、トッテン氷河周辺域を筆頭に氷床末端部での融解加速が指摘されています。これまでの研究によって、南極大陸周辺の陸棚斜面には外洋からの暖水が流れ込んできていることが確認されていますが、暖水の流入量やその季節変動や経年変動、および氷床融解と暖水流入の因果関係については不明です。これらを調べるために、暖水の流路となる海底地形観測、海中に係留系を設置しての長期間の時系列観測、海洋深層までの繰り返し採水観測などを実施します。

雪が降る中、採水観測が行われています
撮影:JARE64 山口真一(2023年2月26日)
2月27日には係留系の回収が行われました
撮影:JARE64 山口真一(2023年2月27日)

これらの観測は、3月11日  まで2週間にわたり行われます。

JARE64 山口真一)