浅層アイスコア掘削

南極は宇宙に開かれた窓と呼ばれており、宇宙空間を飛び交っている「宇宙線」が大量に降り注ぐ場所です。そして、その宇宙線量は太陽活動と関係しています。64次隊の浅層掘削チームは、観測データがない時代の太陽活動を解明するため、南極大陸の内陸域でアイスコア掘削を行っています。2023年1月4日から15日にかけて 、昭和基地からおよそ100km離れたH128と呼ばれる地点に雪上車で出かけ、約30mの深さまでのアイスコア掘削を行いました。また、雪が十分に固まっていない表層はアイスコア試料採取が困難なため、深さ3mの積雪断面(壁面)を掘り、層別にサンプルを採取しました。

今回採取したアイスコアを詳しく分析することで、過去の宇宙線の飛来量変化の履歴が明らかとなり、長期的な太陽活動の変化が明らかになると期待されます。

H128へ雪上車で移動します
撮影:JARE64 神山晃平(2023年1月4日)

H128観測地点の様子
撮影:JARE64 西川泰弘(2023年1月6日)
浅層掘削装置を使って深さ20-30mのアイスコア試料を採取する
撮影:JARE64 神山晃平(2023年1月4日)

掘削作業はチームワークが大事です
撮影:JARE64 神山晃平(2023年1月7日)
無事にアイスコアを採取できました
撮影:JARE64 神山晃平(2023年1月7日)
積雪断面を掘る隊員。チーム総出で雪を掻き出します
撮影:JARE64 神山晃平(2023年1月9日)
深さ3mの積雪断面が掘れました
撮影:JARE64 神山晃平(2023年1月9日)

積雪断面では密度や雪質などの観測を行った後、サンプルを採取します
撮影:JARE64 神山晃平(2023年1月9日)
無事に観測が終了し、全員で記念撮影
撮影:JARE64 神山晃平(2023年1月11日)

(JARE64 山口真一)