南極は宇宙に開かれた窓と呼ばれており、宇宙空間を飛び交っている「宇宙線」が大量に降り注ぐ場所です。そして、その宇宙線量は太陽活動と関係しています。64次隊の浅層掘削チームは、観測データがない時代の太陽活動を解明するため、南極大陸の内陸域でアイスコア掘削を行っています。2023年1月4日から15日にかけて 、昭和基地からおよそ100km離れたH128と呼ばれる地点に雪上車で出かけ、約30mの深さまでのアイスコア掘削を行いました。また、雪が十分に固まっていない表層はアイスコア試料採取が困難なため、深さ3mの積雪断面(壁面)を掘り、層別にサンプルを採取しました。
今回採取したアイスコアを詳しく分析することで、過去の宇宙線の飛来量変化の履歴が明らかとなり、長期的な太陽活動の変化が明らかになると期待されます。
(JARE64 山口真一)