電離層観測(定常観測)

南極では様々な種類の観測が行われています。基本観測は、国際的または社会的要請の高い科学観測データを、確立した観測手法により継続的に取得・公開することを目的とする観測であり、国の責務として実施する「定常観測」と「モニタリング観測」があります。そのひとつに電離層観測があります。
電離層とは、地球の大気が太陽の光(極端紫外線)を受けて電離し、電気を帯びた状態になっている領域のことです。高度60km程から1000km程に存在し、地球の磁場や太陽活動の影響を受けて電離層の濃さ(電子密度)が変動しています。電離層が変化すると、通信・放送等の電波が届かなくなるなどの影響が出る場合があります。これらの観測データは宇宙天気予報に利用するほか、世界的に利用できるように共有しています。
電離層観測の担当である近藤隊員は「世界中で利用されるデータを扱うので、とてもやりがいのある仕事です」と業務に取り組んでいました。

電離層観測小屋の横には設置されている40mデルタアンテナ
撮影:JARE64 山口真一(2023 年1月10日)
電離層観測小屋の外観
撮影:JARE64 山口真一(2023 年1月10日)
データの紹介をする近藤隊員
撮影:JARE64 山口真一(2023 年1月10日)
電波を発射し電離層で反射して受信された電波の強度と往復に要する時間(高さ)を15分に1回観測します。
撮影:JARE64 山口真一(2023 年1月10日)


(JARE64 山口真一)