南極では様々な種類の観測が行われています。基本観測は、国際的または社会的要請の高い科学観測データを、確立した観測手法により継続的に取得・公開することを目的とする観測であり、国の責務として実施する「定常観測」と「モニタリング観測」があります。そのひとつに電離層観測があります。
電離層とは、地球の大気が太陽の光(極端紫外線)を受けて電離し、電気を帯びた状態になっている領域のことです。高度60km程から1000km程に存在し、地球の磁場や太陽活動の影響を受けて電離層の濃さ(電子密度)が変動しています。電離層が変化すると、通信・放送等の電波が届かなくなるなどの影響が出る場合があります。これらの観測データは宇宙天気予報に利用するほか、世界的に利用できるように共有しています。
電離層観測の担当である近藤隊員は「世界中で利用されるデータを扱うので、とてもやりがいのある仕事です」と業務に取り組んでいました。
(JARE64 山口真一)