12月11日と12日には野外観測用の食料の分配が行われました。隊員の中には野外観測のために昭和基地から離れた場所で何日も過ごすチームもあるため、大量にある食料を野外パーティーの人数と日数に応じて分配する必要があります。また野外での行動中は小さな観測小屋や雪上車、テントなどで過ごすため、調理器具が不十分であったり水が自由に使えなかったりします。そのため簡単に調理を済ませられるように食材を小分けにしておくのです。「しらせ」の冷凍庫や倉庫に保管してある食材は一旦観測隊公室に運び出され、「肉コーナー」「野菜コーナー」など食材ごとに分別して置かれます。そこで野外観測チーム毎に、食材リストを見ながらそれぞれ必要な分量を持ち出すのですが、公室一面に並べられた食材を選ぶ隊員の姿はスーパーマーケットでお買い物をしているかのようです。選んだ食材をさらに小分けにしてビニール袋や真空パック に入れ、段ボール箱に詰めたら完成です。厳しい自然環境下での野外観測では、おいしい食事は大きな楽しみの一つで欠かせないものです。
(JARE64 山口真一)