波浪と海氷を探る

 昭和基地へと向かう「しらせ」の航路上で、波浪と海氷、しぶきの計測や船体運動のモニタリングを行っているチームがいます。どのような気象海象条件のときに、船がどう揺れ動くか科学的なデータを収集し、最適な航路選びに活用されるようなシステムの構築を目指しています。科学から工学へ橋渡しを行うようなプロジェクトです。
また本チームは、これから「しらせ」が流氷域、定着氷域を進んでいく中で、海氷の状況や厚さの計測、定着氷上での波浪センサーによる観測を行い、「しらせ」が昭和基地にアクセスする際に難関となる定着氷の変動メカニズムを明らかにすることにも挑みます。
このチームのリーダーである早稲田隊員は波浪の研究者で、ブリッジで波の観察をする姿をよく見かけます。隊員から質問を受けると、波の周期や進む方向について嬉しそうに解説してくれるお顔が印象的です。

※定着氷:沿岸に接して発達した動かない海氷。何年にも渡って厚みを増した多年氷が多い。

揺動計のチェックを行う早稲田隊員(左奥)、舘山隊員(右奥)、内山隊員(手前)
撮影:JARE64 白野亜実(2022年11月17日)

「しらせ」で最も高いフロア、06甲板にしぶき計を設置する様子
撮影:JARE64 白野亜実(2022年11月23日)
2022/12/5 10:03UTC、ステレオカメラで撮影した波浪(左)
ステレオカメラ解析により再現された3次元の波浪の様子(右)
このとき高さ7m程度の波であったことが分かる
撮影・作成:JARE64 早稲田卓爾・内山亮介
ブリッジから見えた青波
撮影:JARE64 内山亮介(2022年12月6日)

JARE64 白野亜実)