64次隊では9月26日から9月28日までの3日間、様々な研修・訓練等を実施しました。これまでの国内準備は、感染防止のため可能な限りオンラインで訓練等を行ってきましたが、今回は十分な対策を取ったうえで集合して訓練を実施しました。隊員同士が直接会って活動する、貴重な機会となりました。
万が一、南極で火災が起こったとしても消防車を呼ぶことはできないので、越冬隊員が自衛消防隊を組織して消火活動を行います。それに備えて、立川防災館と立川消防署の皆さまに協力いただき、消防訓練を行いました。消火器や可搬式ポンプの正しい使い方を知っておくこと、明確な役割を認識しておくことなど「消火活動は事前の準備が重要」と学びました。
また南極は極寒、強風、極夜という厳しい環境下にあり、もしも傷病者が発生した場合、医療隊員の到着まで、隊員が適切な応急手当を行うことが普段の環境以上に重要です。これに備え、東京防災救急協会の皆さまに協力いただき、救急救命講習を行いました。今回学んだことを生かし、隊員全員が笑顔で家族のもとに帰れるよう活動していきたいと改めて思いました。
9月28日には、64次隊全体打ち合わせを行いました。中村国立極地研究所長による開会挨拶から始まり、64次隊の行動計画や輸送、医療調査、ハラスメント対応、個人装備などについて説明があり、引き続き越冬隊ワークショップも行われました。
先遣隊の出発まで10日余りとなり、本隊の出発までも1か月少々。打ち合わせの内容も具体的なことが増えてきて、南極が近づいていることを実感しました。
(JARE64 山口真一・白野亜実)