4月19日、大気観測用UAVの試験飛行を実施しました。
このUAVは成層圏のエアロゾル観測を目的として開発されました。気球を用いて上昇しつつ観測を行い、観測終了後にUAV自身が自律飛行して昭和基地まで戻ってきます。
上空までは気球を使用して上昇させるため、放球作業が容易で、かつ、できるだけまっすぐに上昇できるよう、風が弱い日を選んで実施日を決めています。この日はちょうど無風で気球を上げやすい日でした。準備をしている最中には、このおだやかな条件を示すように、空気中に水蒸気の結晶が漂っていることでできる「ハロ」も出ていました。
UAV搭載のカメラが捉えた昭和基地周辺の様子
撮影:JARE63 堤雅貴(2022年4月19日)、編集:JARE63 堤雅貴
テストフライトを終えたUAVは、パラシュートを使用してゆっくり降下させて、海氷上に着氷したところを回収します。63次隊ではこの機体を使用して、1年を通しての成層圏のエアロゾル観測を実施する予定です。本観測は5月からスタートとなる予定です。
(JARE63 堤雅貴)