1号発電機エンジンのオーバーホール作業

63次隊の夏作業として20211226日から2022112日までの間、1号発電機エンジンのオーバーホールが行われました。昭和基地では300kVAディーゼル発電設備2基が電力の要となっており、1号発電機エンジンについては37次隊に設置され、以降歴代の隊員によるメンテナンスの成果もあり大きなトラブルもなく現在まで基地へ電力を供給しています。

オーバーホールを行った1号発電機エンジン
撮影:JARE63 櫻庭 健吾(2022年1月11日)

 

これまでも定期的にオーバーホールが実施されてきましたが、年数が経過していることや今後もトラブルなく継続して使用するためにクランクシャフトの交換作業が合わせて実施されました。クランクシャフトとはエンジンの中心部にある重要な部品であり、交換作業には多くの部品を分解していくことが必要です。また南極では作業実績がなく、交換作業が難航することも想定され担当隊員は日本を出発する前から念入りに準備を進めてきました。

エンジンブロック内部を点検している63次隊の栁澤隊員(右)と62次隊の梅野隊員(左)
撮影:JARE63 櫻庭 健吾(2021年12月30日)
外されたクランクシャフト
撮影:JARE63 櫻庭 健吾(2021年12月30日)
オーバーホール後、エンジンを始動し点検している63次隊の高木隊員
撮影:JARE63 櫻庭 健吾(2022年1月11日)

作業を開始してから順調に進んでいたものの、天候不良による想定外の中断などが発生しましたが発電機エンジン担当隊員および支援に来ていただいたしらせ乗員が一致団結し予定通りにオーバーホールを完遂することができました。12日には発電機制御盤との警報試験や負荷試験等の確認も完了し、現在はスタンバイ機として電源切替待ちとなっています。

 (JARE63 櫻庭健吾)