フリーマントルを出港後、「しらせ」船上では様々な海洋観測を実施してきました。ここでは海洋観測に用いる装置の一部を紹介したいと思います。
CTD/XCTD観測
これはCTD(Conductivity;電気伝導度、Temperature;温度、Depth;深度)や溶存酸素、pHを測るセンサーと目的の深度で海水を採取するボトルを取り付けたCTD採水システムと呼ばれる装置です。毎年観測しているモニタリング定点ではこの装置を最大400 mまで降下して海水を採取しました。採取した海水はさらに個別にサンプル容器に分けられ、様々な生物・化学分析に用いられます。このような大きな装置の他に、船が走りながらでも観測できる簡易なセンサーを投下するXCTD観測も実施されています。
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撮影:JARE63 白井あゆ美(2021年12月2日)
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撮影:JARE63 佐藤弘康(2021年12月10日)
ノルパックネット
CTD観測を実施したモニタリング定点では、ネットを用いてプランクトンも採取しています。150 mの深さまでネットを降ろし、水面まで引き上げながら海水中の小さなプランクトンを採取します。採取したプランクトンはボトルに詰めて持ち帰ります。
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撮影:JARE63白井あゆ美(2021年12月2日)
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撮影:JARE63 白井あゆ美(2021年12月2日)
アルゴフロート/豪州気象局漂流ブイ/耐氷フロート
海の中を昇降して自動観測するロボットや海の表面を漂って水温などを観測するブイも投入しました。これらは位置情報と観測データを衛星経由で送ってくれます。また、船で人間が観測するのに比べるとできることは限られていますが、自動で長い時間観測してくれるので、地球規模での観測網構築に役立っています。
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撮影:JARE63 佐藤弘康(2021年12月5日)
(JARE63 佐藤弘康)