1月にドラフェス(ドラム缶フェスティバル)と称して、燃料ドラム缶を移送しました。その時の様子はこちら。
移送したドラム缶は、63次で計画されている、ドームふじ基地への内陸旅行に使用される予定です。ドームふじ基地は昭和基地から約1,000km離れた観測拠点です。かつてはドームふじ基地で越冬しての通年観測も行われていましたが、現在では実施されていません。
■参考: 日本の観測基地
■参考: ドームふじで実施されている観測
9月14日~17日にかけて、ドーム旅行に使用する物資や燃料の移送オペレーションを実施しました。このオペレーションでの大きな作業は4つ。
①昭和基地からS16への物資・燃料の移送
②S16に保管している燃料ドラム缶の移動
③とっつき岬からS16への燃料の移送
④S17に保管している橇の引き出しと昭和基地への移送
それぞれの作業の概要は以下のとおりです
①昭和基地からS16への物資・燃料の移送
昭和基地にある燃料を橇6台分(12本/台)S16へ移送します。また、ドームふじで使用予定の資材をリーマン橇と呼ばれる大型の橇3台に載せて移送します。移送した燃料は、S16にある空のリーマン橇に移し替えます。
②S16に保管している燃料ドラム缶の移動
S16で橇に載せて保管している燃料ドラム缶を、空のリーマン橇に載せます。元々燃料ドラム缶を載せていた橇をとっつき岬で保管している燃料の移送に使用するためです。リーマン橇に入りきらないドラム缶は雪の上に直置きし、①の作業で空になった橇と合わせて13台の空橇を用意します。
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撮影:JARE62 金城 順二(2021年9月15日)
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撮影:JARE62 芦田 裕子(2021年9月14日)
③とっつき岬からS16への燃料の移送
夏期間に実施したドラフェスで移送したドラム缶を、S16に移送します。とっつき岬のドラム缶は雪の上に直置きしていたため、②で用意した橇に載せて、S16へ移送します。
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撮影:JARE62 上原 誠(2021年9月15日)
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撮影:JARE62 芦田 裕子(2021年9月15日)
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撮影:JARE62 柴田 和宏(2021年9月15日)
④S17に保管している橇の引き出しと昭和基地への移送
今回の作業だけではドーム旅行に必要な物資や燃料のすべてを移送することはできないため、今後ドーム隊到着までに物資の移送作業が何度か実施される予定です。その作業に使用出来る橇の数も限られてくるため、S17に保管されていた橇の引き出しも実施します。
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撮影:JARE62 柴田 和宏(2021年9月17日)
今回の作業を動画にもまとめましたので、ぜひご覧ください。
編集:JARE62 新居見 励
(JARE62 金城 順二)