南極で走る列車?

極夜が明け、徐々に野外活動が活発になってきました。野外に行く際は、雪上車に荷物を積み込みますが、大型の物資や車内に入りきらない荷物などは、橇(そり)を引いて運ぶことがあります。

橇を引く雪上車
撮影:JARE62 赤松 澪(2021年7月21日)

橇を引く際に気を付けないといけないのが斜面です。上りはまだ良いのですが、橇を引いて下ると、橇が滑って雪上車に当たり、橇や車両を破損させる恐れがあります。橇の重さがそれほどなく、さほど斜度がない斜面であれば、ジグザグに走行することで衝突を回避しますが、斜度が急な場所や、接地面に雪がなく氷で滑る場所ではそうもいきません。

そこで必要になるのが、「列車」と呼ばれる技術です。その名の通り、橇を2台の雪上車ではさみ、橇が滑らないようにしながら斜面を下ります。

重機を乗せた橇が滑らないように列車して斜面を下る
撮影:JARE62 赤松 澪(2021年7月21日)

 

前後の雪上車は無線でギアやエンジンの回転数を合わせ、一定のスピードで斜面を下っていきます。同じ車両ならまだしも、違う車両でスピードを合わせるのは難しく、ドライバー同士の息を合わせる必要があります。

今回、今後の野外活動に備え、列車のやり方を経験者から教わっている様子を動画にしたので、ご覧ください。

撮影・編集:JARE62 金城 順二

(JARE62 金城 順二)