西の浦でのGNSS観測

43日、西の浦の海氷上にGNSSブイを設置しました。西の浦は、昭和基地のある東オングル島の西側の小さな湾です。西の浦と基地の位置関係はこちらのページをご覧ください。夏の間は氷が融けて海面が見えていましたが、冬期間に入り気温が下がって一面に氷が張ったため、観測が行えるようになりました。

夏期間中の西の浦の様子
撮影:JARE62 西村祐香(2021年1月29日)
現在の西の浦の様子
撮影:JARE62 西村祐香(2021年4月1日)

 

GNSSブイは、GNSS(衛星測位システム)のアンテナを内蔵したブイのことで、露岩域に設置しているものと同様に自分(アンテナ)の位置情報を正確に求めることができます。このブイを海氷上に設置することで、海氷の動きや海面高度の変化を連続的に観測します。
西の浦では海上保安庁が設置した水位計による潮位観測も行われているので、潮位データと比較することで、潮の満ち引きに伴う海氷の動きを詳細に調べることができます。

「ブイ」と聞くと、海に浮かべるものを思い浮かべるかと思いますが、このブイは海に浮かべて使うのではなく、海氷上に固定して使用します。万が一海氷が融けてしまった場合でも海に浮かぶ仕様になっています。

この場所で来年の夏にまた海氷が融けるまで半年強ほど連続観測を行います。

西の浦に設置したGNSSブイ
撮影:JARE62 西村祐香(2021年4月3日)

 

(JARE62 西村祐香)