南極観測隊では、地圏モニタリングの一環として、第46次隊より毎年St.BPという観測点(南緯66度50分、東経37度50分、水深約4,500m)に海底の圧力を観測する機器を設置し、その地点の潮汐や地球環境変動などによる海底圧力変動を連続的に調べています。第49次行動からは、装置(OBP)を設置して約2年後に「しらせ」にて回収されています。今回は新たなOBPの設置と第60次隊で投入したOBPの回収作業を行いました。
下側のエンジ色部分が鉄製の錘(約60kg)となっていて、回収時には「しらせ」船上から送信される“切り離し信号”と呼ばれる音響信号を受信すると錘部分を切り離し、オレンジ色の筐体内のガラス玉の浮力によって海面まで浮上してきます。
回収作業では“トランスデューサー”(上右写真)と呼ばれる音波を発信する機器を水面下に沈め、「しらせ」船上から“切り離し信号”を送信(上左写真)します。
今回回収したのは第60次隊で設置したOBPで、本体にはその当時の隊員のさまざまなメッセージが記載されていました。2年間冷たい海でのお勤めご苦労様でした。
(JARE62 久野光輝)