なんだこの景色は!?
昭和基地内を見回ると、このような尖った雪の形が残っているところをあちこちに見つけました。
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撮影:JARE62 新居見 励(2020年12月20日)
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撮影:JARE62 新居見 励(2020年12月19日)
「世界の不思議地形みたいですねぇ。」
と同じ気象隊員の方と話をしていたところ、ふと昔の記憶がよみがえりました。
これは、「ペニテンテ (penitentes) 」という、雪が尖った形になる現象と同じものと思われます。私が以前、南米の高山を登ったときにみたものと同じでした。
この形状は、雪が降り積もった後、雪が浸食されやすいところ、浸食されにくいところの差によって形成されるものです。
浸食が始まると、そこは正のフィードバックが働いて浸食が加速され、どんどん雪がなくなっていきます。そして最終的には、とんがり帽子のような雪の形が残るという仕組みになっています。
気象条件の厳しい高山特有の景色が、海の近くの昭和基地でも見られるとは。
昭和基地に着いて早速、極地の自然の面白さ、そして厳しさを感じました。
南極で、これからもどのような自然現象と出会えるのか?
期待が膨らみます。
(JARE62 新居見 励)