南極まで向かう航路中、「しらせ」では継続的国内外共同観測も実施しています。
往路では南緯37.5度から60度にかけてオーストラリア気象局ブイを計10台投入しました。
このブイは海面で漂流しながら水温、気圧、位置情報を観測でき、観測点の少ない海洋での貴重なデータが得られます。
また、南緯50度、55度ではArgoフロートの投入も実施しました。
これは、国際的な枠組みの中で「中層フロート」を全世界の海洋に展開し、表層から中層の観測を実施する計画の一環です。Argoフロートは水深約2000mまでの沈降・浮上を繰り返しながらその地点の水温、塩分、位置情報を観測します。
地球規模の気候・環境変化の解明には国際的な協力が欠かせません。
「しらせ」は船舶の航行が少ない海域を観測できるため国際的にも重要な役割を果たしています。
(JARE62 赤松澪)