12月12日(土)、昼食を待つ観測隊に「氷山※1を視認した」と放送が入りました。
本航海では初の氷山視認となります。昼食を急いで食べ、艦橋に上がると、大きな氷山が見えました。いよいよ南極が目と鼻の先にあることを実感させられます。
※1:氷山・・・氷河や棚氷(陸上から連結して洋上にある氷)から海に流れ出した氷の塊
同日夜には流氷域に突入。氷の上にはペンギンの姿も見られます。
翌日(12月13日)にはいよいよ南極圏(南緯66度33分以南)に突入。流氷も多く、厚くなり、「ゴリゴリ」と氷を割る音が船底に鈍く響きます。
流氷域に入ったことで、氷厚を測る船上EMセンサ(電磁誘導型氷厚計)※2が設置され観測を開始しました。また、1時間ごとに甲板上から3方向の静止画を撮影することで海氷の密接度及び海氷の厚さ等のデータを取得する海氷静止画観測などの海氷観測も本番を迎えています。
※2:EM(Electromagnetic)センサ(電磁誘導型氷厚計)・・・艦尾側(青)が送信コイル、艦首側(橙)が受信コイルになっており、センサ下側を物体が移動する際に生じる電気の流れ具合によって氷の厚さを測る観測機器です。
氷上にはペンギンに加えアザラシの姿も。興奮を隠せない隊員たちはカメラを持って甲板で思い思いに撮影をしていました。
「しらせ」は、太陽が沈まない白夜の中、昭和基地に向かって進んでいます。
昭和基地はもう目前。短い南極の夏期間に向けて、準備も大詰めです。
(JARE62 金城 順二)