太陽の位置

「しらせ」は、1127日に赤道を通過しました。

赤道を通過するときは、太陽が真上にあると思いがちですが、実はそうではありません。ということで、今回は、ちょっと理科の勉強を・・

 

地球は、23.4度傾いた状態で自転しながら、太陽を中心に公転しています。

そのため、地球上の太陽の通り道は、北回帰線(北緯23.4度)と南回帰線(南緯23.4度)の間を1年に1往復することになります。

 

太陽の高度が最も高くなった時刻に、影が真下にできる緯度も、刻々と移動するのです。

冬至が近いこの時期は、赤道よりも南回帰線に近い位置にその場所があります。

 

そして、121日、その瞬間がやってきました(正確には、「しらせ」は動いているので、もっとも近い位置を通過したということになります)。

 

天頂の太陽の光によってできる影は、ものの真下にできますので、形によっては、影がないように見えます。

横須賀から「しらせ」に乗船したからこそ見られた貴重な経験です。

真下にできた影
撮影:JARE62 杉山 玄己(2020年12月1日)
真下にできた影
撮影:JARE62 杉山 玄己(2020年12月1日)
ペットボトルの影、11月30日は影がありますが、翌日12月1日には影が真下になりました。
撮影:JARE62 阿保 敏広(2020年11月30日、12月1日)
説明図
作成:JARE62 阿保 敏広

 

その地点を通過し、さらに南下を続ける「しらせ」では、日に日に日照時間が長くなっていくことを実感できます。

本日、127日の日の出は0430分、日の入りは2015分。

 

そして昭和基地はまもなく白夜を迎えます。

これも23.4度傾いた地軸のなせる業なのです。

 

(JARE62 阿保 敏広)