「しらせ」は、11月27日に赤道を通過しました。
赤道を通過するときは、太陽が真上にあると思いがちですが、実はそうではありません。ということで、今回は、ちょっと理科の勉強を・・
地球は、23.4度傾いた状態で自転しながら、太陽を中心に公転しています。
そのため、地球上の太陽の通り道は、北回帰線(北緯23.4度)と南回帰線(南緯23.4度)の間を1年に1往復することになります。
太陽の高度が最も高くなった時刻に、影が真下にできる緯度も、刻々と移動するのです。
冬至が近いこの時期は、赤道よりも南回帰線に近い位置にその場所があります。
そして、12月1日、その瞬間がやってきました(正確には、「しらせ」は動いているので、もっとも近い位置を通過したということになります)。
天頂の太陽の光によってできる影は、ものの真下にできますので、形によっては、影がないように見えます。
横須賀から「しらせ」に乗船したからこそ見られた貴重な経験です。
その地点を通過し、さらに南下を続ける「しらせ」では、日に日に日照時間が長くなっていくことを実感できます。
本日、12月7日の日の出は04時30分、日の入りは20時15分。
そして昭和基地はまもなく白夜を迎えます。
これも23.4度傾いた地軸のなせる業なのです。
(JARE62 阿保 敏広)