11月20日に日本を出発してから、「しらせ」は南極・昭和基地に向けてまっすぐと進んでいますが、航海中時折、8の字に航行することがあります。
これは「しらせ」で観測している3成分磁力計で取得するデータの補正に必要なためです。
3成分磁力計による連続観測から、「しらせ」の航路に沿った地磁気の強さと方向の分布が得られ、このデータからしらせ直下の地磁気分布の特徴を知ることができます。さらに他の地球物理観測データ等を併用することで、地下を構成する物質(磁性鉱物の多い少ない等)を推定することにも利用されます。
鉄の塊である「しらせ」の船体磁気の影響を取り除くため、同じ地点で全方向の地磁気を計測して補正係数を求めるためにこの8の字航行を行っています。
地磁気は緯度によって異なるため、往路3点、復路3点の合計6点で実施します。次回はSt.BP(南緯66度50分、東経37度50分)で実施予定です。
(JARE62 赤松 澪、久野 光輝)