みずほ隊出発

昭和基地から南東に約270kmはなれた南極大陸の氷床上にも日本の南極基地があります。1970年に第11次隊により「みずほ前進基地」として開設され、その後みずほ観測拠点を経て「みずほ基地」となりました。第27次越冬隊が1986年に閉鎖して以来、無人基地となり、現在は建物全てが雪面下に埋まっています。高さは2,244m(楕円体高)で、10月でもマイナス50度くらいまで気温が下がることがあり、また風も強く、厳しい環境です。

この基地に、第61次越冬隊の精鋭6名と同行記者1名でこれから向かいます。

目的は、南極大陸内陸部の気候や雪の観測、気象や地球の磁力の無人観測装置の保守、そして、今後の南極大陸内陸部での様々な観測計画に向けてのルート整備などの準備作業になります。

 

日本だと高速道路で数時間、新幹線だと1時間ちょっとでついてしまうこの距離を雪上車で途中観測等を行いながら、1週間ほどかけて向かいます。

みずほ基地に到着後、作業をして帰ってくるのにまた1週間。全部で3週間近いミッションになります。もちろん途中でブリザードに見舞われたら作業も移動もできなくなるので、それ以上にかかるかもしれません。

 

出発の時には基地に残る隊員のほとんどがお見送りに集まりました。

好天に恵まれて、風も穏やかな絶好の出発日和、横断幕を掲げて見送る隊員たちに、出発する隊員たちが手を振ってこたえます。

次に会えるのは、約3週間後。無事にミッションを終えて帰ってきてくれることを願います。

横断幕を抱え出発するみずほ隊を見送る隊員たち
撮影:JARE61 吉井聖人(2020年10月6日)
出発したみずほ隊を見守る隊員たち
撮影:JARE61 吉井聖人(2020年10月6日)

 

(JARE61 吉井聖人)