61次夏隊の海洋観測が終了

3月9日にトッテン氷河沖を離脱後、「しらせ」は南極大陸に沿って東へ向かいました。この日の夜、時刻帯変更。西へ進む往路の時刻帯変更では夜が1時間長くなり、睡眠時間が増えて嬉しかったものですが、復路では逆に夜が1時間短くなり、ものすごく損をした気分です……。

3月12日、今度は真北に進路を変え、東経150度のラインに沿ってシドニーへ向かいます。この150度ラインでは、5か所での停船観測を予定しています。南極の海の生態系が気候変動の影響をどのように受けているかを調べるため、毎年実施されているものです。

16日の朝、最後の停船観測を行いました。

海洋観測
北上して暖かくなり、甲板作業をする「しらせ」乗員の方々の服装がすっかり軽装になりました。撮影:JARE61 寺村たから(2020年3月16日)

観測器についた生物
観測装置を海から引き揚げたら、ぶよぶよした薄いオレンジ色の生物がくっついていました。サルパかな?撮影:JARE61 寺村たから(2020年3月16日)

バケツ採水
バケツ採水もこれが最後。撮影:JARE61 寺村たから(2020年3月16日)

観測終了後、「しらせ」は北上を再開。オーストラリアの排他的経済水域に入ったところで、この航海でのすべての観測を終了しました。「しらせ」史上最大規模の海洋観測をやり遂げた「しらせ」乗員の皆さん、そして観測隊のメンバー、お疲れさまでした!

集合写真
海洋観測の実施を担当した「しらせ」運用科、航海科の方々と、観測隊員で記念撮影。撮影:JARE61 寺村たから(2020年3月16日)

(JARE61 寺村たから)