筋肉痛とヒレナガゴンドウの群れ

1月25日、筋肉痛前夜

海鷹丸にはトレーニングルームがあります。我々研究者チームはわずか1か月の乗船で、しかも海洋観測では日常的に重い機材や大量の海水を運ぶので、特に意識して体を動かす必要はないかもしれません。しかし、長い航海となる乗組員や海洋大学の専攻科の学生さん達には、運動不足解消のためにこういう設備は重要です。

甲板部の新城さん(奥のバーベルを上げているひと)の指導の下、私(手前、作業服)も筋トレなどしてみました。
撮影:JARE61 茂木正人(2020年1月25日)

 

1月26日、筋肉痛当日

運動した次の日は予想通り筋肉痛。観測は予定通りとはいかないまでも、大しけのなか、何とかCTD観測のみ実施しながら東へ進みます。

私の専門は魚類なのでまだよいですが、水温・塩分とか、クロロフィルとかプランクトンとか、目に見えるような見えないような、そういったものが研究対象だと、堅気の皆さんに説明するには分かりやすい図にしたり、丁寧な解説が必要だったりと、ひと工夫、ひと手間が必要です。この航海でも、シンプルに学生がもっとも喜ぶのは鯨類、クジラです。この日は観測中にヒレナガゴンドウの大きな群れが現れました。

ヒレナガゴンドウの群れ
撮影:JARE61 茂木正人(2020年1月26日)

20頭くらいいたでしょうか。地球の果てで暮らす自分たちよりもずっと大きな生きものに、人は畏敬の念や畏怖の念を抱き神聖な何やらを感じるものです。しばらくの間船の近くを泳ぎ、観測中の私たちを、ひとときほっとさせてくれました。

 

JARE61 茂木正人)