夏期間の昭和基地での活動も残り約1週間となりました。そんな中、観測隊の建築チームは基本観測棟の放球デッキの建設に力を注いでいます。現在、気象観測のゾンデ放球は放球棟から行われていますが、この夏期間で気象観測の拠点だった気象棟が解体され、基本観測棟に拠点が移ったことで、62次隊からはゾンデ放球も基本観測棟から行うことになります。基本観測棟は昭和基地の建物の中で一番新しく、基本観測棟から繋がるように放球デッキが建設されています。
観測隊の建設チームに加えて「しらせ」乗員の方の支援もあり、毎日約20人の人員で工事を進めています。建設の流れとしては捨てコンで水平面が作られた後、基礎の鉄筋が組まれ、その上に鉄骨が組まれています。現在は基礎のコンクリート打設を行っている段階です。コンクリートのセメントには昭和基地のような寒い場所ですぐに固まるようなものを使用しているそうです。1月26日も風が強く寒い中、生コンを載せたトラックが昭和基地の中を走り続けていました。
この後はいよいよ鉄骨の上に放球デッキの床部分となる板敷きを敷き、手すりなどをつけて完成となります。完成した放球デッキは従来の放球棟のデッキよりも地面から高くなり、幅と奥行きも大きくなる予定です。完成をどうぞお楽しみに!
(JARE61 小野村知之)