1月23日午後、真っ青な南極の空の下、JARE史上初となる、「しらせ」飛行甲板からのEM-birdフライトを実施しました。
EM-birdには、1月11日の記事でお伝えした科学的目的に加えて、「しらせ」の航行支援を行うという目的もあります。昭和基地周辺の氷況が厳しく2年連続で接岸できなかった53次、54次の経験を踏まえ、「しらせ」が昭和基地周辺の氷海域に到達した時点で、「しらせ」飛行甲板からEM-birdを搭載したヘリコプターを昭和基地方面に飛ばし、氷厚の分布をあらかじめ調査したうえで、「しらせ」の進入ルートを決定することを目指して導入したのが、このEM-birdです。
これまでは、運用手法が確立しておらず、まずは昭和基地のヘリポートからの運用を続けてきましたが、56次に導入して6年目となる今次において、満を持して「しらせ」飛行甲板からのEM-birdオペレーションを計画しました。
オペレーションには、「しらせ」乗員の皆さんの協力も必要だったため、国内や船上での事前打ち合わせを緊密に行ったことなども功を奏し、当日のオペレーションはきわめて安全且つ順調に実施、データ取得も問題なく、大成功と言えるものでした。
担当した小野数也隊員は、「初めてのオペレーションが無事に成功し、嬉しく思う。いざ厳しい氷況に行く手を阻まれた際に、「しらせ」航行の一助となれるよう、今後さらに実績を積み上げて行きたい。」と力強く語ってくれました。
(JARE61熊谷宏靖)