トッテン氷河沖での集中観測を開始!その1「AXCTD」

61次隊の観測の目玉、トッテン氷河沖での集中観測が始まりました!隊員らが「トッテン祭り」と呼ぶこの集中観測、往路、復路でそれぞれ2週間、3週間が予定されています。

今日(11日)は「しらせ」搭載のヘリコプターを使った観測が行われました。ヘリが観測地点の上空に着いたら、「AXCTDAir-borne eXpendable Conductivity, Temperature and Depth)」という測器をヘリから海に投げ入れます。測器は海に沈んでいくあいだに深さと海水温、塩分を連続的に測定し、データを電波で発信します。その電波をヘリの機上で受信する、という仕組みです。今回は、AXCTDと同じ仕組みで深さと水温のみを測る「AXBTAir-borne eXpendable Bathy Thermograph)」という測器も持ち込み、AXCTDのデータを補間できるよう、AXCTDAXBTの観測点が空間的に交互になるように投下しました。

61次隊でのヘリを使った観測の初日であり、得られるデータは大変貴重なものということで、大きな緊張感の中で観測が行われましたが、2フライトで、AXCTDAXBT合わせて11か所の測定を実施することができました。すこぶる順調な滑り出しといえます。詳しくは後日ブログでご紹介することにして、まずは写真をお送りします!(JARE61 寺村たから)

61次隊でのヘリ初観測でした。フロントガラスに「トッテン祭り開幕」の文字が。しらせの皆様、ありがとうございます!
撮影:JARE61 寺村たから、2019年12月11日
2フライト目に乗せてもらいました。測器を投げ入れるために、写真のようにヘリのランプドア(機体後方のドア)を開けたまま飛行しました
撮影:JARE61 寺村たから、2019年12月11日
黒く見えるのが開水面(氷ではなく水面が見えている部分のこと)。測器は開水面に入れます。海氷に囲まれているため、海なのに波がなく、湖のよう
撮影:JARE61 寺村たから、2019年12月11日
右から、61次隊の中山佳洋隊員、野口智英隊員、山崎開平さん(同行者/大学院生)
撮影:JARE61 寺村たから、2019年12月11日
AXCTDは直径約12センチ、長さ約90センチの筒状の測器です。投下直前にフィルムをはがしているところ。手前は観測隊同行者のWongpan Patさん
撮影:JARE61 寺村たから、2019年12月11日
しらせのヘリクルーが開水面に投げ入れました
撮影:JARE61 寺村たから、2019年12月11日