【2019.2.6】ショウワギスに発信機装着!行動範囲が明らかに

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海氷の下で魚類がどんな行動をしているのかのデータは少なく、調査手法の開発が望まれています。60次隊では、今後の魚類行動追跡のための基礎データを得ることを目的に、昭和基地周辺や袋浦での調査を実施しました。

担当する市川光太郎隊員らは、まず、年末からお正月にかけて、海氷の掘削に挑戦しました。

Fig1 海氷の穴あけ作業

当初、海氷に穴を開ける作業が一番の難関であり、ボトルネックになることが予想されていましたが、早期に掘削方法を確立することができました。また、観測機器の低温下での動作確認や、魚類の位置測定に使用する音響アレイを海氷下に設置し、その精度評価も行いました。

さらに、1月10日には実際にショウワギスを捕獲して超音波発信機を装着し、8日後、データを回収しました。

Fig2 魚チーム初のショウワギス釣獲!

 

Fig3

Fig4調査のため、海上で手術して魚に発信機を装着、縫合します。

得られたデータから、発信機を付けたショウワギスは最大半径約150メートルの範囲を移動していたことが分かりました。今後、多数のデータが得られれば、ショウワギスの活動に周期性がみられるか、なども明らかになると期待されます。

Fig5袋浦における受信機設置場所の候補。岸壁沿いに受信機を設置

実施工程は以下の通りです。
2018年12月30日 海氷の厚さを測定し、最適な実験海域を決定。
2019年1月2日 海氷の掘削方法を確立。
2019年1月4日 機器の設置方法を確立し、音響アレイを構築。
2019年1月5日 水中の発信機の位置を1m以下の誤差で音響測位。
2019年1月6日 水中音の録音を行い、海氷下における信号伝搬距離を計測。
2019年1月10日 ショウワギスを釣獲し、発信機を装着した個体を放流。
2019年1月16日 袋浦において実地検分を行い、観察ができることを確認。
2019年1月18日 受信機を回収し、合計約8日間のデータをダウンロードした。
2019年2月6日 ショウワギスの移動軌跡を解析し、7日間で最大約22000 m2(150 150 m)の範囲を動いていたことが判明。