【2019.1.18】大活躍!今年導入のMOHTトロール(海鷹丸)

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20190117

ヒレナガゴンドウ:主にイカを食べるが、小さい魚も食べる

 

16日23時20分ごろ、海鷹丸のすぐ前に数頭のヒレナガゴンドウが現れました。そして17日朝5時前には多くのザトウクジラに遭遇。この海域には例年クジラが多いようです。

 

20190118

18日の観測で採取されたホオズキイカの仲間

 

写真のイカは、我々の調査海域で比較的ふつうに採集されるホオズキイカの仲間で、今日(18日)獲れました。胴の長さは8 cmくらいでまだまだ子どもですが、親は数十センチになります。成体は水深数百メートルの海で暮らし、ヒレナガゴンドウのご飯にもなっていることでしょう。

  

イカを主な餌としている大型動物は多いと言われますが、世界の海にどれだけのイカがいて、イカが何をどれくらい食べているのかなど不明な点も多く、イカの生態系における役割はよく分かっていません。なぜでしょうか。イカは泳ぐのが速く、ネットでの定量採集が難しいことがその原因のひとつです。実際に、我々の観測でもネットに入るのは、幼生期の個体かせいぜい数センチまでの個体です。

  

今年からMOHTトロールという、少し大きなプランクトンや小さな魚を採集するためのネットが導入されました。網口が5平方メートルの巨大なプランクトンネットです。さらに、一度に4層の層別採集ができる優れもの。機械的なトラブルも少なくここまで来たのですが、16回目の曵網でついに故障。原因は今のところ不明ですが、ネットの開閉装置やセンサー類と船上のPCとの間で信号のやり取りが出来なくなったようです。初の南極海でこれまでよくがんばりました。写真のイカも含めて期待通りのサンプルが得られており、このネットの導入で今後新たな研究展開ができそうです。

  

海鷹丸の動きについては以下からご覧ください。

⇨「野外調査隊はどこ? 海鷹丸による海洋観測