【2019.1.11】海鳥の分布と海洋生物の分布(海鷹丸)

 

10日から11日にかけて行う予定だった観測地点は、スケジュール変更を余儀なくされました。海況の回復見込みが立たず、いくつかのデリケート(悪天候に弱い)かつ重要なミッションが一旦見送られることになりました。ここは重要な観測点のひとつなので海況の回復をその場でただ待つという選択肢もありますが、ひとつでも観測を消化するために先に次の観測点へ行き、悪天候に比較的強いCTD観測のみ行い、再び前の観測点に戻る、という計画が取られることになりました。

  

6時間後、そのひとつ先の観測点に着くと風が8 m前後まで落ちているではないですか。読みが当ったと言いたいところですが、本当のところ、何かを読んだわけでもないし、なぜ風が落ちたのかも説明できません。言い訳をすれば、天気図が必ずしも正確ではないからです。日本周辺にいると天気図・天気予報は詳細かつ正確ですが、ここ南極の海では気象データを取得するための観測点が少なすぎて、正確な天気図を書くための情報が少なすぎるということは容易に想像できます。とにかく今は海況がよいので、この観測点で予定されていたすべての観測項目をやっつけて、それから前の観測点に戻ることに…。

20190111

写真はハイイロアホウドリです。大きさは翼を広げると2 mくらいあり、観測中の海鷹丸のすぐ近くを飛び回ります。ここ南緯62度以南くらいからは海鳥の数も種類も急に増えます。我々は、海鳥の分布が、動物プランクトンや魚類など餌となる生物の分布と関係していると見ています。

 

海鷹丸の動きについては以下からご覧ください。

⇨「野外調査隊はどこ? 海鷹丸による海洋観測