冬訓補講を実施しました

6月1日(月)~3日(水)に、富山県立山町において、冬期総合訓練の補講を実施しました。3月の訓練に参加できなかった候補者を対象とし、南極での野外活動のベースとなる、積雪期の基本的な登山技術を中心に講習を行いました。

1日(初日):晴れ

訓練の開始は午後からでしたが、台風6号の影響による荒天が予想されたため、この日の午前中は国立登山研修所の皆様、講師、事務局を交えて訓練プログラムを相談し、一部の予定を変更する調整を行いました。午後になると参加者が会場である山野スポーツセンターに到着し、訓練開講。オリエンテーションで講師紹介やプログラム変更を説明したのち、入山準備を開始しました。翌日の入山に備えた装備のサイズ合わせ、ザックへのパッキングを行い、南極におけるフィールドワークのポイントの講義、ロープワークの講習を行って初日を終えました。

オリエンテーションの様子
撮影:国立極地研究所 南極観測センター(2026年6月1日)
2日(二日目):曇りのち雨

当初は山小屋に1泊する予定としていましたが、翌日の午前中に山岳エリアの荒天が予想されていたため、山岳エリアでの活動を日帰りに変更し、バスで室堂ターミナルに移動しました。室堂ターミナル到着後は、高度に体を慣らす時間を少しとったのち、歩いてミドリガ池付近の訓練候補地まで移動。候補地にて転落者の引き揚げをメインとしたロープワークの講習を行い、隊員は二班に分かれて役割を交代しながら取り組みました。その後は、行動の基礎となる雪上歩行の講習を行い、クランポンとアックスを使いながら、ミクリガ池周辺を歩きました。

予報より早く風が強くなってきたため、室堂周辺での訓練は少し早めに切り上げてバスで山野スポーツセンターに戻り、室内で負傷者の搬送訓練を行いました。夜は山の事故や観測隊で起こった事故例を紹介し、野外活動中に抱える・起こりうるリスクについて講義を行いました。

入山前のレクチャー
撮影:国立極地研究所 南極観測センター(2026年6月2日)
訓練場所に向かう様子
撮影:国立極地研究所 南極観測センター(2026年6月2日)
引き上げ訓練の様子
撮影:国立極地研究所 南極観測センター(2026年6月2日)
3日(三日目):雨のち曇り

本日は最終日です。心配された天候は、幸いにも宿泊先周辺では雨脚がそこまで強くなりませんでした。朝食後、荷物をまとめて国立登山研修所に移動、体育館のクライミング施設を使って、昨日に続いてロープワークを中心とした訓練を昼までみっちり行いました(クレバスからの事故脱出、危険地帯のロープセットと通過、けが人の搬送等)。

実技の訓練が終わったあとは、講師を交えて訓練の振り返り時間とし、南極での活動において、いかに事故を起こさないようにするか意見交換を行いました。最後に、今後の事務連絡・集合写真を撮って、訓練終了としました。

ロープ登行訓練の様子
撮影:国立極地研究所 南極観測センター(2026年6月3日)

台風の影響で山中での時間が短くなったことは残念でしたが、プログラムを変更することで予定の訓練はほぼ実施ができました。観測隊の活動とフィールドワークは切っても切れない密接な関係にあるため、本補講は本番での事故を防ぐべく、技術はもちろんのこと、リスクに関わる見方・感じ方を磨く機会となりました。

最後に、本補講の実施に際し、国立登山研修所をはじめ関係各所の皆様から頂きました多大なご支援について、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

(南極観測センター)