昭和基地沖での海氷観測

1月9日、昭和基地沖で行われた海氷観測に同行しました。波浪チームと海洋チームは、昭和基地からスノーモービルで海へ出て海氷上での観測を行っています。事前にルートを確認している道とはいえ、1月は南極の真夏の時期にあたります。日に日に融けて状況が変わるので、日々慎重に観測を行なっていました。

スノーモービルで海氷上へ
 撮影:JARE67 池田未歩 (2026年1月9日)

海氷講習で習った通りゾンデ棒で安全を確認しつつ観測点に移動します。
撮影:JARE67 池田未歩 (2026年1月9日)

波浪チームは昭和基地のある東オングル島の周りの海や氷の状態を調べており、海氷に穴をあけ流速計やCTD(水温や塩分濃度を測ることのできる装置)を下ろした観測を行なっていました。

波浪チームの観測の様子。大きな装置は持ち込むことが難しいので観測機を手動で下ろしています。
撮影:JARE67 池田未歩 (2026年1月9日)

海洋チームは海氷の表面にできる水たまり「メルトポンド」の観測を実施しています。メルトポンドは一見すると小さな水たまりですが、近年の北極域研究から栄養塩や炭素の循環を左右する重要な場所であることがわかってきました。

昭和基地沖のメルトポンド。白い海氷に比べ太陽の光をより多く吸収するため周囲の海氷をさらに融けやすくする性質があります。
撮影:JARE67 池田未歩 (2026年1月9日)

メルトポンドの水は淡水に近く、融けて海水と混ざることで海水中のCO₂のバランスを変え、大気中のCO₂を海に取り込みやすくすると考えられています。またメルトポンド内では、微生物や藻類の活動を通じて有機物や栄養塩が循環し、海氷や海洋の生物生産を支える役割を果たしている可能性もあります。

南極でメルトポンドの観測を行うことで、海氷の融解が進む過程で何が起きているのかや、地球の温まり方を左右する炭素の循環に及ぼす影響を明らかにしようとしています。

チューブで水をくみ上げて塩分やpH、CO2などの値を深度ごとに細かく計測します
撮影:JARE67 池田未歩 (2026年1月9日)

約2時間ほどかかる観測。記録をとるのはメルトポンド観測をメインで担当する吉村隊員
撮影:JARE67 池田未歩 (2026年1月9日)

現場で測定する項目の観測が終わった後は、海の上で採水作業。こちらは帰国後の分析用です。
撮影:JARE67 池田未歩 (2026年1月9日)

観測をしている横にはアデリーペンギンも見学に来ていました。波浪チーム・海洋チームのみなさんお疲れ様でした。

何しているか気になるよね。お邪魔しました。
撮影:JARE67 池田未歩 (2026年1月9日)

(JARE67 池田未歩)