春の訪れ アザラシやペンギンなどの様子

11月に近づくにつれて天気が良い日が続き、強い日光により積雪が解けるほどになりました。気温も上昇し、外に出ると暖かく感じる程です。また夜の時間が急激に短くなり、寂しいことですが夜空の星が見えなくなって、遅い時間でも青空ではないのですが青々とした明るい空が広がっています。南極は春から夏に向かっていることを感じます。

動物達も海氷上などあちこちに見られるようになりました。ウェッデルアザラシにとってはこの季節が出産シーズンのようで、赤ちゃんの個体が見られました。お母さんの近くに寄り添い、静かに寝ていました。冬の期間には草木どころか地面すら見えなかった雪一面の南極の世界から、新しい命が誕生している姿を見ると、とても穏やかな気持ちになりました。

アザラシの親子
生まれたてに見える赤ちゃんとお母さん
撮影:JARE66 中田康貴(2025年10月19日)
アザラシの赤ちゃん
じっと遠くを見つめている
撮影:JARE66 中田康貴(2025年10月19日)
気持ちよさそうに寝ています
撮影:JARE66 米村幸司(2025年10月22日)

親子アザラシの様子
撮影:JARE66 中田康貴(2025年10月19日)

アデリーペンギンもあちこちに現れるようになりました。海氷上を見るとペンギンの足跡、お腹で滑った線があちこちに引かれていました。よくよく観察するとその線は海氷上に延々と続き、とても長い距離を沢山のペンギンが移動していることが分かります。

昭和基地近くにもアデリーペンギンが繁殖のために集まるルッカリーがいくつか点在しています。それぞれペンギンが辿り着いたルッカリーで、新しい命が誕生するシーズンが来ます。季節が夏になり賑やかな姿が見れるのが楽しみです。

スイスイ滑るアデリーペンギン
撮影:JARE66 臼田拓人(2025年11月12日)
ルッカリーに集う様子
撮影:JARE66 清水大輔(2025年11月6日)

ペンギンが移動する様子
撮影:JARE66 米村幸司(2025年11月12日)

ユキドリと思われる真っ白い鳥やトウゾクカモメと思われる茶色の鳥も昭和基地を横切っていました。

天測点の上を飛び去る鳥
撮影:JARE66梶原佑介(2025年11月12日)

(JARE66 米村幸司)