製パン研修

10月28日、調理隊員2名で製パン研修に行ってきました。南極・昭和基地では朝食の他に、夜食や行動食、間食としてパンが大活躍します。調理隊員は当然、調理の経験はありますが、パン作りの機会は少ないため毎年しっかりと研修をしてから出発しています。

今回は初めに講師の方からパンの基礎知識を教わり、その後実習を交えてパン作りを学びました。普段目にすることの少ない、製菓・製パン用のオーブンやホイロ(パンの発酵器)など大きな機器のある厨房に、興味津々でした。

小麦粉、水、イースト、塩のみで作るバタールの生地作りから始まり、すでに出来上がっている冷凍生地を使ってのナンやピザ作り、そして成形済みのメロンパンやチョコクロワッサンなどの焼成作業や、カレーパン、チュロスを揚げる作業なども行いました。その後はバタール、食パン、ベーコンエピの成型、焼成と、一日をかけてしっかりと研修することができました。室内には終始パンの焼ける良い香りが漂っている中で、焼き立てのパンを試食することができました。

研修の様子(2025年10月28日)
焼き上げ前にクープを入れる(2025年10月28日)

講師の方から作業時のコツや注意点を教わりながらの研修です。和やかな雰囲気の中にも、「おいしいパンを隊員たちに食べさせたい!」という調理隊員としての使命のようなものが沸き立ち、真剣に講師の方のお話に聞き入っていました。色々な質問もして、貴重なお話を聞くこともできました。

研修で焼き上げたパンの数々(2025年10月28日)

南極には焼成済みのパンの他、焼成前の成形段階のもの、またパン生地を持っていく予定ですが、基本的には冷凍で持ち込む予定です。隊員たちにとっては、普段の過酷な作業の中での楽しみでもある食事。調理隊員として、その大切な時間を預かることの重要さを感じ、またこのような機会を与えてくださった方々に感謝の気持ちで一杯になりました。

(JARE67 杉浦 秀樹)