昭和基地の観測を支える多目的アンテナレドーム

7月5日、多目的アンテナ担当の中田隊員とドローンによるレドームの定期点検作業を行いました。レドームとは、中に直径11メートルのパラボラアンテナが格納されている黒色のレーダードームのことです。メンテナンス時は高所作業車を用いてレドームのパネルにコーティング材を塗布します。

高所作業車を用いてレドーム補修を行う中田隊員
撮影:JARE66 小川萌(2025年5月2日)

ただし、頂上部などの確認にはドローンを用いることが、一番効率が良いとのことでした。結果としてブリザードによる破損も見られず安心しました。多目的アンテナは、その大口径パラボラアンテナとしての特性を生かし、超長基線電波干渉法(VLBI)による測地観測に利用されています。

また同じく中田隊員が管理している衛星受信棟も案内してもらいました。月一回程度の頻度で深夜を含めた丸一日使って行われるVLBIはこの場所で行われています。(VLBI観測についてはブログ最下段の動画を参考にしていただければと思います。)

ドローン飛行を準備する中田隊員
撮影:JARE66 米村幸司(2025年7月5日)
レドームへの損傷等を上空から確認する
撮影:JARE66 米村幸司(2025年7月5日)
衛星受信棟の外観
撮影:JARE66 米村幸司(2025年7月5日)
アンテナを制御するデータ処理設備
撮影:JARE66 米村幸司(2025年7月5日)
真上からのレドーム 雪の付きから風の方向が分かる
撮影:JARE66 中田康貴(2025年7月5日)

レドームの周囲を一周(映像)
撮影:JARE66 中田康貴(2025年7月4日)

このレドームは第30次南極地域観測隊により建設されたので、もうすぐ40年近く経つことになります。歴代の担当隊員により大切に管理されてきた設備を、中田隊員が引継ぎ丁寧に保守管理を行っています。

レドーム内の様子
撮影:JARE66 米村幸司(2025年1月25日)
職場案内にて隊員にアンテナについて説明する中田隊員
撮影:JARE66米村幸司(2025年5月10日)

VLBI観測の説明(動画)
撮影:JARE66中田康貴(2025年6月16日)

(JARE66 米村幸司)