昭和基地のネットワークを支えるアンテナドームと管理棟のドーム

昭和基地は各地にアンテナがありますが、その中でも黒いレドームという保護するドーム型の設備に覆われた建物が二つあります。今回はその内の一つ「インテルサットのレドーム」を紹介します。

昭和基地では、観測データの送信や、基地でのインターネット接続に衛星回線を使っています。赤道上空36,000kmに打ち上げられているインテルサット衛星を介して、山口県にある地球局に設置されているパラボラアンテナとの間で通信を行い、そこから東京都立川市にある国立極地研究所を経由して、インターネットにアクセスすることが可能です。また昭和基地内では無線LANが各建物、執務室や居室で利用可能となっておりノートPC等で快適に利用することが出来ます。

インターネットは各種観測機器や基地設備の監視だけでなく、隊員の家族等のコミュニケーションにも欠かせない重要な設備となっています。第66次南極地域観測隊越冬隊においてLAN・インテルサット担当の北村隊員が日々管理を行っています。

黒い大きなレドーム
撮影:JARE66 米村幸司(2025年4月10日)
シェルター内設備
撮影:JARE66 米村幸司(2025年4月10日)
レドーム内にある巨大なアンテナ
撮影:JARE66 米村幸司(2025年4月10日)
レドーム内写真
撮影:JARE66 米村幸司(2025年4月10日)

さて昭和基地を象徴する建物である管理棟にもドームがあります。この部分中身がどうなっているかも併せて紹介したいと思います。昭和基地に来る前は何か小部屋があるのかと思ったのですが、高い位置に取り付けられた天窓だったと分かりました。太陽光がしっかりと入り、その真下に位置する階段を明るく照らしてくれています。

昭和基地ではオーロラのモニタリング観測を行うため、夜間は自然以外の人工的な光はできる限り防ぐ「灯火制限」を行っています。この天窓はどうするのか疑問に思ったのですが、手元のスイッチを押すことで電動により遮光性のあるカーテンが閉まるようになっていました。

管理棟ドームの内部
画:JARE66 米村幸司(2025年4月10日)
昼の天窓
撮影:JARE66米村幸司(2025年4月10日)
夜の天窓
撮影:JARE66米村幸司(2025年4月10日)

(JARE66 米村幸司)