南極で越冬観測する世界各国の基地で、冬至※(日本では夏至)の時期になるとミッドウィンターフェスティバル(以下、「MWF」という)が開催され、互いに南極で迎えた極夜を喜び、お祝いし、お互いにグリーティングカードを送り合う慣習があります。昭和基地からは50の基地にメールでグリーティングカードを送り、越冬生活の節目のお祝いをしました。
また、南極地域観測統合推進本部長の盛山文部科学大臣をはじめ、多くの関係者の皆さまから祝電をいただきました。日頃より応援してくださっている方々の存在を身近に感じ、改めて、南極地域観測はたくさんの方に支えていただいて成り立っているのだと実感いたしました。温かいメッセージをお寄せいただき、心より御礼申し上げます。
65次越冬隊では、6月18日~21日の4日間でMWFを開催し、隊員企画のイベントや、調理隊員2名がそれぞれ腕を振るったフルコースのディナーを楽しみました。MWFの様子を、何枚かの写真でご紹介したいと思います。
MWFに向け、有志で実行委員会を立ち上げ、4月下旬から仕事の合間を縫って打ち合わせや準備を進めてきました。MWFを通じて、越冬後半に向けた英気を養うことができ、隊員同士の結束がさらに深まり、思い出に残るイベントとなりました。以下、ミッドウィンター祭実行委員長からのメッセージです。
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南極地域観測隊をご支援してくださっているみなさま、隊員のご家族・関係者のみなさま、いつも温かい応援ありがとうございます。MWF実行委員長として企画・運営に携わり、各イベントが無事に終了してホッとしています。日々の観測業務や基地の維持・管理業務がある中、隊員一同力を合わせて準備し思い出に残る時間になりました。特に急遽決定した巨大かまくらは一日で開通し、65次の持つ瞬発力を象徴していたと思います。
越冬隊の生活は過酷です。自ら望んだ道ですが、太陽の昇らない薄暗い世界は、業務へのプレッシャー、家族・友人に会えない寂しさや漠然とした不安を膨らませます。
MWFは私たちにとって灯台のようです。目的地にもなり、新たな航路を照らす光にもなる。これからは日常の中に潜む小さな幸せを拾い集め、越冬交代という未来へと続く栄光のロードを総員27人で進んでいけたらと願っております。
ミッドウィンター祭実行委員長 齋藤樹
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私たち65次隊は、越冬生活の折り返しとも言える冬至を無事に迎えることができました。7月以降は従来の観測・設営業務に加え、66次計画の準備や次隊の受け入れに向けた調整が本格化してきます。帰国までの残り8ヶ月も業務に邁進し、安全に楽しく、実りある日々を過ごしていきたいと思います。
(JARE65 山岡麻奈美)
※夏至や冬至という言葉は、地球が丸いとか南半球では季節が逆ということを人類がまだ知らない時代に決められた言葉だったそうで、天文学上では北半球で夏至の日は、南半球も夏至ということになってしまいますが、南北半球で季節は逆転して真冬ですので、日常生活の中の言葉としては冬至を使うことが多いようです。