海氷下のお魚を探る

64次隊には、冷たく暗い南極の海氷の下で生息している魚類の行動と生態を明らかにしようと観測を行っているチームがいます。通称「お魚チーム」です。昭和基地周辺の海は、1年中海氷に覆われています。海水温の変化は少ないですが、夏は白夜で太陽の光が多く降り注ぎ、冬は極夜でほとんど真っ暗になるなど、季節によって大きく海洋環境が変動します。彼らは、昭和基地沖の北の浦の海氷上で早速、観測を始めています。魚をはじめ、海洋生態系に詳しい「お魚チーム」の隊員たちは、往路の「しらせ」から見かけた鳥や魚について情報提供してくれ、隊員たちも興味津々でした。
チームリーダーの市川隊員は、今回の観測にあたり「お魚チームは3人の得意分野をうまく活かしつつ、他の隊員からも助けられて観測できています。海氷下の厳しい環境を生き抜く魚たちの謎に包まれた生態を明らかにしたいです」と語ってくれました。

昭和基地沖、北の浦海氷上で魚類の調査の様子
撮影:JARE64 市川光太郎(2022年12月28日)
「しらせ」船内観測隊エリアの廊下。航海で見かけた生き物のお魚チームによる解説展示。
撮影:JARE64 白野亜実(2022年11月28日)

(JARE64 白野亜実)