64次隊の重点研究観測の一つに「⼤型⼤気レーダーを中⼼とした観測展開から探る⼤気⼤循環変動」というプロジェクトがあります。地球大気全域の気候の将来予測のためには、大気大循環と呼ばれる地球規模の大気の流れを正確に把握し、その変動メカニズムを調べることが必要です。昭和基地にはそれらを調べるために直径300mの領域に1000本以上のアンテナを設置した南極域最大のレーダー(PANSYレーダー)を配置しています。PANSYレーダーアンテナエリアは冬の間に吹き溜まるため、夏期間中に集中して除雪を行なう必要があり、重機の入れない場所では手掘りの作業となります。PANSYの保守を行う虫明隊員は「技術屋魂に則り正々堂々最後の一本まで戦います」と除雪作業への意気込みを語っていました。
(JARE64 山口真一)